目玉はネイマール&ムバッペの獲得。指揮官に不安も…
パリ・サンジェルマン(PSG)がこの夏に獲得した新戦力はわずか4人だけ。しかし、サッカー界に史上最大のインパクトを与えた。
昨季開幕前、ポール・ポグバがユベントスからマンチェスター・ユナイテッドへ復帰する際に記録した当時の史上最高額1億500万ユーロ、日本円にして130億円を超える移籍金の記録は、1年で塗り替えられた。
それはまさしくネイマールの獲得である。バルセロナでリオネル・メッシやルイス・スアレスの陰に隠れて主役になりきれなかったブラジル代表アタッカーは、2億2000万ユーロ(約290億円)という超破格の移籍金を残してパリへと旅立った。
さらに移籍史上閉幕直前、世界中が注目する逸材がPSG移籍を決断する。昨季リーグ・アンを制したモナコで大ブレイクを遂げ、レアル・マドリーやアーセナルなどからの関心が伝えられていた18歳のキリアン・ムバッペは、レンタル移籍という形でパリのスター軍団の仲間入りを果たした。
このレンタル移籍はUEFAがクラブの財政健全化のために定めたファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反を避けるためのものであると言われ、PSGが今季終了後に買い取りオプションを行使すれば1億8000万ユーロ(約236億円)の移籍金が発生するという。
ネイマールとムバッペ、2人の獲得だけで530億円近い想像を絶する大金が動くことになる。これで心配されるのが、ウナイ・エメリ監督の求心力低下だ。そもそも知略・戦略を武器に評価を高めてきた指揮官だが、以前からカリスマ性のなさを指摘されており、世界屈指のスター軍団をどのように操っていくか注目される。
唯一の弱点だったサイドバックには、ユベントスからブラジル代表DFダニエウ・アウベスと、マクスウェルが引退して抜けた穴にはスペイン人のユーリ・ベルチチェを補強した。DFセルジュ・オーリエやMFブレーズ・マテュイディ、MFグジェゴジュ・クリホビアクといった、エメリ監督の構想から外れていた選手の放出も進み、より洗練されたチームになった。
ネイマールもデビュー戦から3試合で3ゴール3アシストを記録し、PSGの新たな柱として好スタートを切った。大規模投資に踏み切った今季は、リーグタイトル奪還と悲願のチャンピオンズリーグ制覇を目指すPSGにとって非常に重要な1年となる。