苛立つ指揮官。甘くなかったアジア予選
試合開始早々の2分に右サイドを駆け上がったレッキーのクロスに合わせたセンターFWのユリッチがゴール右に外したシュートを皮切りに、とにかくシュートを放ち続けるが決まらない。やたらと豪州の選手が天を仰ぐシーンばかりが目につくうちに前半の45分間が終わってしまった。
後半に入っても、なかなかゴールを割れずに苛立ちばかりが募る。ようやくチーム24本目のシュートがゴールを割ったのは、後半69分。試合も残すところ20分を切ろうかというタイミングだった。ムーイのクロスを頭でねじ込んだのはFWのユリッチ。ともに日豪戦で期待を裏切った両名が最低限の責任を果たすことで、サッカルーズが先制して試合が動いた。
そこから畳みかけたいサッカルーズだったが、そう簡単に事は進まない。後半82分にはタイのMFアナンが同点ゴールで試合を振り出しに戻した。負けられないサッカルーズは、さらに前がかりに攻め立てる。
ようやく、試合終了わずか4分前の後半86分になって、この日一番の運動量を見せていたレッキーが勝ち越し点をゲット。そのまま辛くも2−1で逃げ切ったサッカルーズの運命は、遠くサウジアラビアのジッダで開催されるアウェイゲームに挑む日本の試合結果に委ねられた。
試合後のアンジ・ポスタコグルー監督は明らかに苛立っていた。会見での「自力で勝ちあがれなかった今回の最終予選を振り返って」との質問に語気を荒げて「素晴らしいものだよ。最終予選はとてもタフなもの、特に多くの選手がそうなように、それが初めての経験であればなおさらだ。10試合して1回しか負けていない。私は、勝つために選手をピッチに送り込んできた。それだけだ、私が言いたいことは」と答えてから、席を立った。