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代表 7年前

韓国、薄氷のW杯予選突破。最悪の事態こそ免れるも問題は山積、本大会へ不安だらけ

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

最低限のノルマを達成したにすぎない

韓国代表を率いるシン・テヨン監督
韓国代表を率いるシン・テヨン監督【写真:Getty Images】

 守備でも課題が山積みだった。イラン戦に続きキム・ヨングォン(広州)は不安定。イラン戦がAマッチデビュー戦だった20歳の新鋭キム・ミンジェ(全北現代)のほうが目立っていた。

 キム・ミンジェは20歳とは思えないほどの果敢なプレーで何度も韓国を危機から救った。190cm、88kgという体躯にスピードまで備えたDFは、Kリーグでこそ異彩を放ってはいたが、代表レベルでは実力に疑いをもたれていた部分もあった。だがイランとウズベキスタンの選手たちと堂々と渡り合っており、彼が国際舞台でも通用するということは確信へと変わっていく。韓国にとってはこの2連戦で唯一の収穫かもしれない。

 試合後、シン・テヨン監督は「引き分けには不満だが、とりあえずW杯進出を決めたことには満足している」と語った。7月4日、いきなり監督を任された彼にとってW杯進出はある種のミッションだった。それを成し遂げたということからこぼれた一言だろう。

 だが、これで満足してはいけない。最低限のノルマは達成したが、選手の組み合わせ、そして戦い方に関してはより深い反省が必要となる。最悪の危機は逃れた韓国サッカー界が、今日の試合をどう受け止めて、来年のワールドカップに向けてどう備えるか。それがこれからの新しいミッションなのかもしれない。

(文:キム・ドンヒョン)

【了】

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