フットボールチャンネル

代表 7年前

韓国、薄氷のW杯予選突破。最悪の事態こそ免れるも問題は山積、本大会へ不安だらけ

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

攻撃的3トップも連動性見られず

 この日、シン・テヨン監督は4-1-2-3の攻撃的なフォーメーションを選択。4バックの前にチャン・ヒョンス(FC東京)を守備的MFとして起用する変則的な戦術をとってきた。チャン・ヒョンスが守備的MFに対応できる選手であるのは間違いないが、攻撃力の面で劣る部分があったため、これまでの韓国代表で彼がそのポジションに立つことはほぼなかった。

 本来ならそのポジションはキ・ソンヨン(スウォンジー)のものだった。しかしキ・ソンヨンは膝の手術から復帰したばかり。コンディションが万全ではなかった。無理をして彼を起用するにはリスクもあった。攻撃力が下がるのは必然だった。

 シン監督はこの攻撃力を補うため、韓国はソン・フンミン(トッテナム)やファン・ヒチャン(ザルツブルク)、そして日本でもよく知られているイ・グノ(江原FC)の3トップを採用。とにかく前でスペースを作り、ゴールを狙う作戦で挑んだ。サイドバックには元鳥栖のキャプテン、キム・ミヌ(水原三星)とコ・ヨハン(FCソウル)、攻撃的な選手を起用した。

 しかし思い通りにはいかなかった。3トップは3人とも力を振り絞っているものの連動性が感じられず。ミッドフィルダーからのサポートはあまりにも少ない。攻撃的MFとして起用されたクォン・チャンフン(ディジョンFCO)も、なかなか影響力を行使することができなかった。

 後半になってようやく流れが変わる。クォン・チャンフンが下がり、35歳のヨム・ギフン(水原三星)が入るや否やいきなり試合のテンポが変わった。後ろからの縦パスや持ち前の左足を思う存分に生かしたクロスで何度もチャンスを作る。

 この試合で最も惜しい場面でもあったイ・ドングクのヘッドはヨム・ギフンとのコンビネーションから生まれた。あえて言えば、なぜ彼を先発メンバーに入れなかったのか、という疑問や不満が生まれるほど彼は別次元だった。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!