吉田麻也【写真:Getty Images】
【日本 0-1 サウジアラビア 2018年ロシアW杯アジア最終予選】
日本代表は現地時間5日、ロシアW杯アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦し0-1で敗れた。
試合後、吉田麻也はテレビ向けの取材には応えたものの、普段とは異なり、ペン記者陣の待つ取材エリアを無言で通過した。
すでに6大会連続のW杯出場が決まっていたとはいえ、試合前には「代表でプレーする以上、負けていい試合はひとつもない。明日も勝ちに行くだけ」と話していた吉田。しかし、この日のチームは連動を欠き、攻守共にチグハグなまま時間だけが過ぎていった。そして、63分に失点するとそのまま試合終了のホイッスルを聞くことになった。
実質的には消化試合ではあったが、W杯本大会に向けた新たなスタートでもあったはずだ。オーストラリア戦とは異なるメンバーで戦い、本田圭佑、岡崎慎司ら経験豊富な選手を擁しながら勝利を掴むことはできなかった。
「相手は本当に本気なので、こういう経験ができることはなかなかない。僕も含めてすごく大きなチャレンジになる」
サウジアラビアにとっては予選突破をかけた大一番であり、スタジアムには6万人以上の観客が詰めかけた。完全アウェイと呼べる環境の中で相手を叩ければ、ハリルジャパンはまた一つ大きな成功体験を得られたはずだ。しかし、残ったのは悔しさだったのだろう。
前半には味方の緩いバックパスを処理する際にファウルを取られ、イエローカードを受けた。仮にこの試合で退場していたら、吉田はW杯初戦で出場停止となる可能性があった。
普段であればペン記者陣の問いかけに時間をとって対応する吉田だが、サウジ戦後の表情には、怒りの色がうかがえた。
(取材:植田路生、文・構成:編集部)
※誤解を招く箇所があったため、掲載当初の内容から一部変更しております。
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