「危機感を与えてくれることに感謝」
W杯アジア地区最終予選もいよいよラストマッチを迎える。すでに予選突破を決めた日本代表はオーストラリア戦からメンバーを入れ替えて臨むと予想されるが、パフォーマンスによって今後の起用法や選考が大きく変わりうる選手もいる。その1人が本田圭佑だ。サウジアラビア戦では右サイドでのスタメン出場が予想されるが、本大会に向けた彼なりのソリューションを示すことができるだろうか。
「僕らは必要なくなるということも当然言われる。でも、本田、香川が必要ないと思われることは、逆に良いこと。これでポジションを取りにいける」
オーストラリア戦は[4-3-3]の右ウィングで浅野拓磨が先発し、武器であるスピードと積極的な仕掛けで縦の飛び出しを狙い、先制ゴールという結果を出した。最終的に選手交代は全て前線の選手だったが、右サイドは浅野に代わり久保裕也が投入され、本田圭佑の出番はなかった。
「これがもしW杯本戦ならもしかしたらサッカーを辞めようというのも考えるかもしれないけど、目標は本戦なので。本戦のピッチに立つこと。そういう意味では、今ベンチに座っていることはプロセス。危機感を与えてくれることに感謝している。今の状況を楽しんでいるし、刺激を受けていきたい」
新天地のパチューカではデビュー戦でゴールを決めたものの、2試合の出場時間は90分にも満たない。オーストラリア戦で出番がなかったのは必ずしも戦術面だけが理由ではないかもしれない。ただ、この日のチームのパフォーマンスを考えれば、本田がもし右サイドに入った場合に同じソリューションは起こらなかったはずだ。
「たぶんこっちで出る場合は右で出ると思うし。周りは違和感ないと思うんですよね。いつも僕とやる時は右の本田圭佑というのをある程度分かっている選手がいるわけで」
オーストラリア戦の前にはそう語っていた本田だが、パチューカで[4-3-3]のインサイドハーフをメインに起用されることが見込まれ、後半から出場したティファナ戦は[4-4-2]の前線でセカンドトップ的な役割を担った。ただ、形こそパチューカに似ているがサッカーの内容は異なるものであり、そのまま当てはめられるわけではない。