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日本代表 7年前

長谷部誠とハリルの絆。日本代表不動のキャプテン、代えの利かない大黒柱が胸中に抱くもの

ハリルジャパンが歴史を変えた。ワールドカップ予選で5分け2敗と未勝利だったオーストラリア代表と対峙した、8月31日のアジア最終予選(埼玉スタジアム)で攻守ともに難敵を圧倒。2‐0の快勝劇で6大会連続6度目の本大会出場を決めた。右ひざの手術を乗り越え、昨年11月以来の復帰を果たしたMF長谷部誠(33)はアンカーとして先発フル出場。3度目のヒノキ舞台となるロシア大会へ。4人の歴代代表監督のもとでキャプテンを務めてきた、代役の利かない大黒柱が胸中に抱く思いに迫った。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

2010年以降担い続けている日本代表キャプテン

2010年の南アフリカW杯直前に日本代表のキャプテンマークを託された長谷部誠
2010年の南アフリカW杯直前に日本代表のキャプテンマークを託された長谷部誠【写真:Getty Images】

 歓喜の瞬間の訪れを告げるホイッスルを、MF本田圭佑(パチューカ)はベンチで聞いていた。FW岡崎慎司(レスター・シティ)は終了直前になって、埼玉スタジアムのピッチに投入されていた。

 7年前のワールドカップ南アフリカ大会をともに戦った盟友たちのなかで、オーストラリア代表との90分間を共有できたのはGK川島永嗣(FCメス)とDF長友佑都(インテル・ミラノ)しかいない。

 自信満々に乗り込んだ地球の裏側で一敗地にまみれ、ふがいなさに涙した4年前のブラジル大会のほろ苦い記憶をもつ仲間たちも、いま現在の顔触れを見わたせば半分以下の10人に減っている。

 時の移り変わりを否が応でも感じさせるなかで、MF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)だけは変わらない。象徴でもあるキャプテンマークを左腕に巻き、ロシア行きを決めた喜びをかみしめた。

「年々プレッシャーは大きくなりますけどね。やはりキャプテンとして予選を戦って、4年前は本当に手探りのなかでやっていましたけど、今回に関してはより自分にできるだけ責任というか、プレッシャーをかけてやってきたつもりですし、その意味ではより喜びは大きいと思いますね。

 一人でサッカーをするわけではないので、プレッシャーというとあれなんですけど。とにかくチームがいい形で試合に入れるとか、チームの雰囲気とか、監督とのコミュニケーションとか、さまざまな部分で自分ができることというのを常に考えて、やってきたつもりです」

 南アフリカ大会が開幕する直前に、DF中澤佑二(横浜F・マリノス)に代わってキャプテンの座を託された。閉塞感を漂わせるチームに喝を入れるために、岡田武史監督が打ったカンフル剤だった。

 一時は指揮官の解任論も吹き荒れた下馬評を覆し、メンバーとシステム変更をも触媒として化学反応を起こしたチームは鮮やかに生まれ変わる。グループリーグ突破を果たした快進撃は、いまもなお燦然と輝く。

 大会後に誕生したアルベルト・ザッケローニ監督に率いられた日本代表でも、厚い信頼感を寄せられた。2014年8月に就任したハビエル・アギーレ監督も、長谷部の誠実な人柄に一目ぼれした。

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