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代表 7年前

韓国、W杯出場へ崖っぷち。イランと失望のドロー。プレーオフすら逃す可能性招いた大失態

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

ウズベク戦は「絶対勝利」。韓国は崖っぷちから這い上がれるか

ソン・フンミン
ソン・フンミンもドローに失望の色を隠せず。理由はホームにもかかわらず劣悪なピッチで戦わねばならなかったからだ【写真:Getty Images】

 韓国人で初めてUEFA最高レベルの指導者資格であるプロライセンスを取得し、現在はサッカーフォーラム『Juego』で戦術理論を寄稿するオ・ドンフン氏も、韓国の戦術的工夫の足りなさを指摘。彼は「プランBがなかったのが残念。攻撃の作業が円滑にできず、単純なパターンばかりになってしまったのは結局イランが望んでいたこと。形はサイドを重視していたが、効率がなかったことは悩むべき問題」という。

 そして「もう少し1トップのファン・ヒチャンを生かす連係プレーができたのではないか」と惜しさを隠さなかった。もちろんこれらができなかった大いなる理由にはピッチコンディションの悪さもあったのだが。

 結局、韓国はゴールを割れぬまま痛い引き分けを喫してしまった。A代表の試合に6万3000人が雲集したのは4年ぶりの快挙だったが、大観衆の前でW杯への花道を飾ることはできなかった。

 試合後に取材エリアに現れたソン・フンミンは芝に対して不満をあらわにした。「ファンがたくさん来てくださったことには本当に感謝している。だが、こんな最悪なピッチコンディションには正直腹が立つ。こんな状況で勝てと言われるのは無理がある」というのが彼の意見だった。

「では、なぜイランは頑張れたんだ」と指摘する者がいるかもしれないが、イランも攻撃では力を発揮できなかった。ただ彼らがスタンスを守備へと早く切り替え、韓国の攻撃陣にうまく対応したのが一番の大きな差だっただろう。

 韓国はこれで勝ち点14となり、グループ2位を維持している。同日、ウズベキスタンが中国に0-1で負けるラッキーもあった。しかし、シリアがいきなり伏兵として浮上してきた。カタールを3-1と破り、勝ち点を12まで積み上げた。

 ウズベキスタンと直接対決を控える韓国にとってはさらに重いプレッシャーがのしかかる。もしウズベキスタンに負け、シリアがイランとのアウェイゲームで万が一勝ってしまえば、それこそ韓国のW杯出場の可能性は消滅してしまう。ソン・フンミンは「絶対勝利」を口にし、会場を去った。今、9回連続W杯出場に向けて為すべきことはそれだけだ。

(取材・文:キム・ドンヒョン【ソウル】)

【了】

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