試合直前になりスタメン候補に浮上してきた乾と浅野
岡崎、大迫、久保の3人が先発有力と見られていたが、試合直前になって乾と浅野もスタメン候補に浮上してきた。オーストラリアが3バックを採用していることから、アウトサイド裏のスペースが狙い目。しかも、トレント・セインズベリー(紅蘇素寧)を軸とした相手DF陣は「長身でアジリティに問題のある選手が多い」と吉田が分析する通りの弱点がある。
だからこそ、傑出したドリブルスキルを持つ乾、爆発的なスピードのある浅野がより有効になってくる。そんな考え方もできるのだ。
「ドリブルはかなり有効になってくる。相手はそんなに速さがある選手が多いわけではないので。特にディフェンスラインは仕掛けていければいい」と乾も自分自身が武器になれることを自覚している様子。
浅野にしても今季ブンデスリーガ1部昇格したシュツットガルトでタテへの侵入を繰り返していて、ハリルホジッチ監督の意図する動きができる。フレッシュな2人を外で使うという賭けに指揮官が打って出るかどうかも大きな注目点だ。
本田と原口は2列目のインサイドハーフで先発、あるいはサブとして位置付けられる可能性があるのではないか。
特に本田は新天地・パチューカで中央寄りのポジションで使われていて、デビュー戦だった22日のベラクルス戦ではゴールもゲット。ここ一番の勝負強さは折り紙付きだ。高地から平地に下りたことで心肺機能は向上するだろうから、長い時間のプレーも期待できる。リスタートの守備を考えても、182cmの本田はピッチにいた方がいい。ハリルホジッチ監督の決断が待たれる。
FW陣最後の1枚である187cmの新戦力・杉本は、パワープレーが必要になった時のオプションだろう。こうした面々をうまく使いこなしてこそ、オーストラリアからゴールを奪って勝ち切ることができる。
過去の戦いを見ても、オーストラリアは日本が1点を取ってもしぶとく追いついてくるチーム。確実に勝ち点3を手に入れるには複数得点が欲しい。その大仕事を誰が果たすのか。大迫、岡崎、久保でもいいし、それ以外の選手でもいい。誰がヒーローの座をつかみ取るかにフォーカスしつつ、天王山を注視したい。
(取材・文:元川悦子)
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