運命の一戦へ、ハリルはコンディション重視か
運命の一戦にのぞむに当たり、ハリルホジッチ監督はコンディション重視の考えが根強い模様で、まだ今季一度も90分フル出場していない原口と本田、浅野拓磨(シュツットガルト)もやや厳しいかもしれない。
ゲームにコンスタントに出ている乾貴士(エイバル)、杉本健勇(C大阪)はハリル体制での代表経験が低いという難点があり、クラブでの出場時間と得点数、代表経験値の全てをクリアしているのは岡崎慎司(レスター)1人ということになる。今回はその岡崎をどこかで使えればチームの力になりそうだ。
ただ、昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)以降4試合の前線での貢献度、前回イラク戦(テヘラン)での先制弾などを踏まえると大迫は外せない。大柄なDF陣の揃うオーストラリア守備陣との競り合いを考えても1トップは高さに勝る大迫だろう。岡崎を使う場合はサイドのいずれかになるか。実際、非公開だった29日の練習では左右両方で試された模様だ。
右はアルベルト・ザッケローニ監督時代の岡崎の定位置。「左の香川・長友佑都(インテル)で作って右の岡崎が仕留める」というパターンだったため、その感覚が残っている右の方がいいかもしれない。「何が起きても対応できるように強い気持ちを試合開始から出したい」と言う背番号9だけに、実際にサイドで使われたとしても、平常心でのぞめるはずだ。
そのうえで、久保を左に回すのは1つの有効なアイディアかもしれない。「左サイドだと中に入って行ける」と久保自身もよりゴールに直結する仕事を担えると考えている。イラク戦の久保は環境適応に失敗し本来の輝きは影を潜めたが、今はゴールが取れていないだけで動きは決して悪くない。「結果は出てないけど、チャンスはありますし、そのうちまた入るかなという感覚でやってるから。焦っても取れないし」と楽観的である。
以前、本田も「ゴールはケチャップみたいなもの。出る時はドバドバっと出る」という名言を残したが、今の久保はまさにそんな心境だ。その彼がやるべきなのは、3月のUAE戦(アルアイン)で見せた矢のような飛び出しの再現。「あの時はシンプルにチャンス1本でも1点って感じだったんで、チャンスが来た時に集中して決めきれるようにしたい」と本人も自身に言い聞かせていた。