30歳を超えた選手が何人も、何年も出続けている状況への危機感
自身もけがの連鎖があって、アジア最終予選でピッチに立てない状況が続いた。敵地メルボルンに乗り込んだ昨年10月のオーストラリア戦は、出発直前の練習で脳震とうを起こしてまさかの離脱を強いられた。
満を持して臨んだ11月シリーズも、オマーン代表との国際親善試合の直前に体調を崩してしまった。ホテルに居残り、一人でテレビを見ながらチームの覇気のなさを憂い、自分自身をも奮い立たせた。
「僕たちの世代もいま一度、ギラギラしたものを心の底から出す気持ちをもつことが大事。そういうベテランを見ると、若い選手たちもついていこうと思うはずなので。ただ、30歳を超えた選手が何人も、何年も出ている点は世代交代、底上げが上手くいっていない証拠でもある。
そういう状況は、日本サッカー界にとってもよくない。もちろん長く代表でプレーさせてもらっている選手が、その経験からくる落ち着きをもたらすことも大切だけど、僕たちを押しのけるような選手がどんどん出てこないと、世界の舞台で勝つためには厳しくなってくる」
オマーン戦の欠場を最後に、長友はアジア最終予選と国際親善試合の計5試合にすべて先発フル出場を果たしてきた。出場試合数を歴代8位の「95」に伸ばし、挑んでくる若手や中堅にとって厚い壁であり続けた。
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