久々復帰の元浦和DF。中国2部クラブ所属も召集
この日の練習会場にはどこで聞きつけたのか熱心な日本人(?)豪州サポーターが3人ほど待ち構えており、少し遠めから選手たちにサインをねだって声を張り上げていた。すると、ライアンとセインスベリーの2人はわざわざ歩み寄って、サインと写真に応じた。ともに今後の代表を長く牽引していくだろう2人は、決戦を間近に控えていてもファンサービスをおろそかにしない。これを余裕の表れとも取ることはできるのだろうが、日本人ファンの声援にきちんと答える2人の姿を見て、決して悪い気はしなかった。
翌29日の朝、メディアの囲みに応じたのは元浦和レッズで久々の代表復帰となるマシュー・スピラノビッチ(杭州緑城)と、アンジ・ポスタコグルー監督の用兵次第では先発起用もあり得るロビー・クルーズ(ボーフム)。ともに前日の午後以降に到着したという両名だが、その表情のコントラストは明確だった。
27日の夜に試合を終えて中国から到着したばかりのスピラノビッチは、立って囲み取材に対応。表情も明るく、疲れの色は見えない。一方、スピラノビッチよりも少し遅く到着したクルーズは近くにあったソファにどかっと腰を下ろし、いかにも時差ボケというような眠そうな表情での対応だった。
日本でもプレー経験のあるスピラノビッチは、久々に復帰した代表を外から見ていた感想などを次のように述べた。
「(代表に呼ばれなかった約10ヶ月の期間)試合をサイドラインからやテレビで見るのは決して簡単なものじゃなかったね。でも、今はこうやってここに戻れて嬉しく思う。(不安されたシステムチェンジも)外から見ていても、ここ数試合どんどん良くなっているし、(コンフェデ杯の)チリ戦なんかとても良かった。チームもやれるという気持ちになっているし、どんどんポジティブな傾向が見えてきている。監督に言われれば、最終ラインのどこでもプレーできるよ」
さらに、メンバー発表時にポスタコグルー監督が「(彼の中国2部でのプレーは)理想的ではない」と発言したことを受けて、スピラノビッチが今プレーする中国2部リーグに関連する質問が続いた。
当の本人は、その懸念に対して「とにかくコンスタントな出場機会を得ながら、良いフィットネスを維持すること、それが一番大事。その意味で(中国2部でのプレーは)何の問題もない。コーチも信頼してくれていて、チームもとても良くしてくれているし、僕はとてもハッピーだ。正直、そんなに1部との違いは感じないし、毎週の試合で相手チームが獲得した攻撃的な世界レベルの選手と相まみえている。だから、久しぶりに国際舞台に戻ってきても不安はない」と不安を一蹴して見せた。