オランダでもすっかりチームの中心に
8月11日、エールディヴィジ17‐18シ-ズンが開幕。13日、小林祐希の所属するSCヘーレンフェーンは、堂安律が加入したFCフローニンゲンのホームに乗り込んだ。
前半、ゲームを優位に進めるヘーレンフェーンが2点リードを奪い、後半に入ってフローニンゲンが反撃に出て2‐2の同点に。86分、モーテン・トルスビーのゴールでヘーレンフェーンが勝ち越し、勝負は決したかと思われたが、88分、フローニンゲンがPKで再び同点に追いついた。結果は3‐3のドロー。堂安は63分に交代し、小林はフル出場している。
私の印象に刻まれたのは、小林の我慢強さだ。
オランダのサッカーは縦に速い。小林は最後の崩しの一歩手前でパスを呼び込み、攻め方に変化を加えたい、ゴールの確率をより高めたい意図が見えたが、大抵、攻撃は直線的に完結してしまう。だが、小林は自分の欲しいタイミングでパスを受けられなくても、味方のフォローを怠らず、チャンスにつながるだろうポジションを取り続けた。
そして、ボールを持てばショートパスを織り交ぜてリズムを作り、左足によるロングパスで攻撃を広く展開した。ゲーム終盤、ユルヘン・ストレペル監督と意見交換する姿も堂に入っており、すっかりチームの中心だ。
課題は、ゴール前に進出し、得点に絡む仕事を増やしていくこと。フローニンゲン戦、そこでの見せ場はつくれなかった。今季、レアル・マドリーからレンタル移籍で加入した18歳、マルティン・ウーデゴーとのコンビネーションがカギを握りそうだ。ウーデゴーもまた、ノルウェーで将来を嘱望されるレフティである。
「後ろでバランスを取ってくれる選手がいれば、守備面で少しラクになるんでしょうけどね。まあ、そのあたりの戦術的なことは外から見ているだけではわからない部分が多い」
そう語るのは高野光司である。私と同じく日本でテレビ観戦だった。