サッカルーズを攻撃を司る2人のMF
時代を担う気鋭の若手として期待を一身に集めてきたライアン。19歳年少の新星の登場とその成長ぶりを目の当たりにして、シュウォーツァーは2013年11月に41歳で代表引退を決意。それ以降、ライアンが一貫してサッカルーズの正GKとしてゴールマウスに立ち、25歳にして積み上げた代表キャップは既に35で、109を積み上げた大先輩を上回るペースを維持している。
そのライアンは、ショット・ストッパーというイメージが強いが、実は足元の技術にも自信を持っている。総合的な完成度の高さを誇る守護神が、決定力不足という宿痾(しゅくあ=長く治らない病のこと)を克服しつつゴールに迫る日本攻撃陣の眼前に立ちはだかることになる。
続いてはムーイ。今年からプレミアリーグに昇格したハッダーズフィールドの柱は、殺到するオファーを断り、所属元のマンチェスター・シティを双方合意の下で退団。完全移籍でレンタル先のクラブに戻って、大いに男を上げた。
まもなく27歳になるムーイは決して若くない。昇格クラブで確実に自分の力を発揮して、ハッダースフィールドのアイコン的存在として、まずは残留を確実にしてからその先を目指すというキャリア設計を立てた。
彼にとってもクラブにとってもプレミア初参戦の今季、ムーイはホーム開幕戦で技ありのミドルシュートを叩きこむなど、序盤4試合で3勝1分けと負けなしのロケットスタートを先頭に立って牽引する。
そのムーイは、ボランチのレギュラーであり主将を務めるミレ・ジェディナクの不在を受けて、今回の日豪戦ではポジションをひとつ下げてボランチの位置から攻撃のタクトを振るうことも考えられる。そうなれば、最前線に近いところでより頑張らなければいけないのが、もう一人の攻撃の要であるロギッチだ。ムーイより2歳若い彼を第3の注目選手として指名しよう。
長身の技巧派MFは、その展開力や思い切ったミドルシュートなど引き出しの多いプレースタイルで、スコットランドの名門セルティックで確固たる位置を掴んだ。そこでの刺激的な日々が、元々のポテンシャルを開花させ、自信を日に日に深めている。代表でも自分より若い選手が少しずつ増えてきたこともあって精神面での大きな成長を見せるなど、今、まさにフットボーラーとして充実の時を迎えつつある。