先発出場が有力視されるのは昌子
さしあたって、今回のオーストラリア決戦に限ってみると、先発出場が有力視されるのは昌子。すでに吉田との新コンビ結成がスタートし、本人も手ごたえを得ている。
「いつも以上にプレッシャーはあると思うけど、それに押しつぶされるようでは選手としてダメ。プレッシャーもポジティブに楽しみに変えていけるくらいのメンタルを持っていたい。オーストラリアの球際はJリーグとは違うところがあるし、平気で両足スライディングもあるし、FWのユーリッチ選手のキープ力もすごい。注意したい」と24歳のDFは詳細に相手を分析し、ポイントを絞っている様子だった。
そうやって具体的なイメージを描くことは勝利に向けて必要不可欠。彼には長谷部や吉田に匹敵するリーダーシップを求めたい。
杉本、柴崎、小林、武藤に関してはいきなりの先発は難しいかもしれないが、どこかで出番が訪れる可能性はある。とりわけ、杉本は日本が勝っていても負けていても、終盤の切り札起用が少なからず考えられる。「やれる自信? 自信がないなら代表を辞退した方がいい」と鹿島戦後にキッパリ言い切った通り、今季J1で14ゴールを奪っている男は自信満々だ。
「ずっと目指していた場所だし、監督も名前を出してくれていた。それでも呼ばれていなかったので、ずっと悔しい思いもしてきた。でも、この大一番で来ることができたので本当に力になりたいという気持ちが強い」と彼も語気を強めた。
杉本が今、やるべき仕事はゴールを奪うこと。極めてシンプルだが、最も難易度の高いテーマでもある。それを遂行し、日本代表に新たな風を送り込むことができるのか。そこは注目すべき点だ。
これから合流する3人を含め、今年25歳の円熟期を迎える92年組のブレイクに大きな期待を寄せたいものである。
(取材・文:元川悦子)
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