「2点差は危険なスコア」。微妙な心理状態での意識
「やはり2点差っていうのは、ある意味、怖いスポーツですし、相手に一発のスピードのある選手がいる中で、一発やられたら分からない状況だったので、そこはちょっとチームとしてもナーバスというか、ちょっと慎重になっていた」
リードを奪われたヘルタが前がかりになってきている中で、2点を守り切るのか、3点目を奪いに行くのか。少し曖昧な状況に、難しさを感じた。リスクを負わずにシンプルに前線のスピードを活かしてゴールを狙う。そんなチームの流れを意識したという。前を向いた時にはフィリップにパスを送り、ヘルタのゴールを脅かそうとした。それでもヘルタの捨て身の攻勢の中での途中出場に、難しさはあったようだ。
「カウンターであったり、失点が怖かったっていうのはチームとしてあったので、あまり、僕にボールが入ってくる回数も少なかったし、組み立ての段階ではちょっとなかなか、ここ2試合もそうですけど、まだまだ、改善の余地はあるのかなあと思います」
一方で1対1の場面では競り勝つことが多く、プレーに力強さが戻ってきている。バイザーから強引にボールを奪うところもあった。
「個人としてはやはりそこは負けてはいけないと、途中から入った身としては、守備的なところではそこは意識しましたし、そこは問題なくコンタクトできているのかなと思います」
得点やアシストこそなかったものの、前節に比べれば出場時間も増え、ヘルタ戦では、何より本職のポジションでの起用となった。ボス監督は段階を踏んで香川の出場時間を増やしていく意向だという。
目指すのは、もちろん先発出場だ。
「試合にスタメンから出た時に、もっともっと僕は、やれるっていうイメージを持っているし、その自信はすごく感じています」
1歩ずつ前進している香川。スタメンで戦うための、強い気持ちは整っている。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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