攻撃の起点として確かな存在感
アウェイで10人という状況を考えればこのまま引分けで終わっても御の字だったが、昨シーズンの前期と後期で最高勝ち点を獲得したティファナはそれを許してくれなかった。
後半42分、中盤から攻め上がったアルゼンチン人MFダミアン・ムストの強烈なミドルシュートはブロックしたものの、直後のCKの折り返しからムストが鮮やかなバイシクルシュートを決めた。
前節のベラクルス戦でエリック・アギーレ、エドソン・プッチ、アンヘロ・サガルと攻撃的な選手がことごとく負傷し、中盤の要であるキャプテンのエリック・グティエレスと10番を背負うウルグアイ代表FWホナタン・ウレタビスカヤも欠場となった。
まさに火の車という状況で、システムも[4-3-3]から[4-4-2]に変更したが、そうした状況でもアロンソ監督は本田をスタートから使わず、後半から45分のプレーに止めた。これはコンディションに配慮したものと考えられる。
チームを勝利に導く結果は出なかったものの、攻撃の起点として確かな存在感は示した本田。代表ウィーク明けの次節はここまで4得点のグスマンも出場停止となるだけに、スタメン出場の可能性は高い。すでに名刺は配られた。ここからレギュラー争い、そして新天地でのタイトル獲得に向けた挑戦が本格化していく。
もちろん、その前に本田には大仕事が待っている。オーストラリア戦とサウジアラビア戦で日本をロシアW杯に導くこと。前回W杯予選で突破を決めるPKゴール決めた男の奮起に期待したい。
(文:河治良幸)
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