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日本代表 7年前

大迫勇也、日本代表FWの軸に。万能型ストライカーが育成年代で描いた成長曲線

text by 元川悦子 photo by Masahiro Ura, Getty Images

少年時代は無名。中学時代を経て、高校で開花した才能

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日本代表ではFW陣の軸となっている大迫【写真:Getty Images】

 鹿児島県南西部の加世田市(現南さつま市)出身の大迫は少年時代は無名だった。万世サッカースポーツ少年団で小学校3年からプレーしたが、全国大会とは無縁。「走り込みとか厳しい練習はなくて、いつも楽しくサッカーをしていました」と本人も述懐する。

 中学時代はその環境から一変。情熱的な山平監督の下で、闘争心を煽られる日々を過ごした。「『もっとこい』『かかってこい』という私の言葉に反応して、勇也はガツガツと向かってくる。負けじ魂をむき出しにする彼と1対1の勝負をするのは、本当に楽しかったですね」と熱血指導者は笑う。

 大迫はもともと口数が少なく、あまり感情を表に出さないが、向上心は人一倍強い。その秘めた荒々しさを山平監督が引き出したからこそ、代表エースに上り詰めた今があるのだろう。

 そして、高校時代は2009年正月の高校サッカー選手権での1大会10ゴールという新記録達成に象徴される通り、点取り屋の才能を大きく開花させた時期だった。小久保監督に「周りを使え」と口を酸っぱくして言われたことが大きかったのか、ゴールもアシストもできるマルチな能力に磨きをかけた。

「サコちゃんはホントにボールが収まる」と代表の盟友・原口元気(ヘルタ)も太鼓判を押していたが、ゴール以外の仕事で今の日本代表にリズムをもたらしているのは紛れもない事実。それも高校時代に得た大きな財産に違いないだろう。

 こうして鹿児島で力を蓄え、鹿島、1860ミュンヘン、ケルンとステップアップした大迫。日本をロシアへと導くであろうFWの成長過程に今一度目を向けたうえで、最終予選の大一番を見るべきだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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