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日本代表 7年前

ハリルJ、異例のFW9人招集。その選考意図は? 陣容から見えた戦略的メッセージ【識者の眼】

text by 河治良幸 photo by Getty Images

代表復帰の柴崎岳と小林祐希。その魅力と効用

日本代表に復帰した柴崎岳(左)と小林祐希(右)
日本代表に復帰した柴崎岳(左)と小林祐希(右)【写真:Getty Images】

 攻撃的MFの3人はトップ下あるいは[4-3-3]のインサイドハーフでもゴールに直結する仕事が求められる。これまでの実績から考えれば香川のスタメンが既定路線となるが、ケガ明けで、ブンデスリーガの開幕戦では終盤の出場だったこともあり、サウジアラビア戦との兼ね合いも考え、よりコンディションの良い小林か柴崎でスタートする可能性もある。

 どちらも中盤のユーティリティな選手だが、柴崎にはスペインのヘタフェと同様にゴールに直結するパスや飛び出しが期待される。特に相手を押し込んだ場合、狭いエリアで変化を付け、ちょっとしたスペースを使える柴崎の有効性は高い。また前線やウィングの選手に決定的なパスを供給する選手としても期待できるはず。

 小林の場合は攻撃的な持ち味に加えて、オランダでボール奪取力に成長を感じさせていることが大きい。[4-3-3]のインサイドハーフで山口や井手口と組ませれば、ボール奪取力と攻撃力を兼ね備えた中盤を形成することができる。

 代表での経験不足を補って余ある気持ちの強さがこういう大一番で良い方に出れば日本の攻撃を前進させることができる。加えて本田をスタメン起用しない場合に左利きの小林をセットプレーのキッカーとしての役割を含めて優先するプランも考えられる。

 また高萩にも言えることだが、小林をこのポジションで起用すればセットプレーの守備で高さを確保できるメリットもある。主な目的は点を取りに行くことだが、指揮官が警戒する相手のセットプレーに対するリスクケアも同時に考えなければいけない。

 ホームで点を取りに行く、勝ちに行くというメッセージがダイレクトに表れたメンバー構成だが、やはり大事なのは最終的にどういう布陣で、どういうイメージを持って試合に入っていけるか。短い準備時間ではあるが、ハリルホジッチ監督が2ヶ月前から行ってきたという分析をもとに、チームで攻撃イメージを共有してゴールにつなげてほしい。

(取材・文:河治良幸)

【了】

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