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日本代表 7年前

ハリルJ、異例のFW9人招集。その選考意図は? 陣容から見えた戦略的メッセージ【識者の眼】

8月24日、日本サッカー協会は2018年ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(8/31)、サウジアラビア戦(9/5)に臨む日本代表メンバーを発表した。試合の登録メンバーは23人であるが、今回は異例の27人を招集。特に前線の選手に人数を割いており、このメンバーリストからヴァイッド・ハリルホジッチ監督の戦略的な意図が見えてくる。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「点を取る」という強いメッセージ

日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 日本サッカー協会は8月31日に埼玉スタジアム2002で行われるアジア最終予選のオーストラリア戦と9月5日にアウェイで行われるサウジアラビア戦に向けた27人のメンバーを発表した。

 本来公式戦の枠はGK3人を含む23人。これまでも最終予選はコンディションなどを考慮し25人ほど招集してきたが27人は異例。しかも、3トップが想定されるFWが9人というのは異例だ。

「もちろんけが人と関係なく戦略は練っている」

 今回は大迫勇也や本田圭佑など主力のコンディションに不安があり、ここまで最終予選を牽引してきた原口元気もクラブで十分な出場時間を得られていない事情はあるものの、それ以上に「点を取る」という戦略的なメッセージが強く含まれているはずだ。

「全員を見た上でスタメンを決めていきたい。効果的なプレーをすることがFWに求められる」とハリルホジッチ監督。指揮官の頭の中ではアウェイのサウジアラビア戦での起用法も想定されているはずだが、まずはオーストラリア戦に全力で勝ちに行く意識を植え付けたいという意図は発言からも感じられる。

 右ウィングは浅野拓磨、久保裕也、本田圭佑。左が乾貴士、武藤嘉紀、原口元気。そして中央が岡崎慎司、杉本健勇、大迫勇也という陣容。チャンスメイクはもちろんゴールに向かう迫力を出せる選手が揃う。

 アウェイで行われた前回のオーストラリア戦は「スピードを使った攻撃ができなかった」とハリルホジッチ監督。ホームの今回はより高い位置から攻撃を進めていくはずで、そこでオーストラリアのディフェンスの背後を狙いたいという意図はあるだろう。

 特にキーマンになりうるのが左の武藤だ。「オーストラリアのディフェンスに対して彼のスピードは面白い」と指揮官。

 もちろん原口の推進力や乾のテクニカルな仕掛けは魅力だが、オフザボールでダイアゴナルの飛び出しができ、ボールを持って前を向けば躊躇せずシュートを狙う姿勢が体格に勝るオーストラリアのディフェンスに対して有効であることは間違いないだろう。

 似たことが右の浅野にも言えるが、基本的には久保か本田をスタメンで起用し、相手に疲れが出るところで浅野を投入するというイメージの方が立てやすい。

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