日本の天敵・ケーヒル。チーム内での重要度は下がったものの…
アミニは、アフガニスタン系の父親とニカラグア出身の母親を持ち、18歳でボルシア・ドルトムントに引き抜かれるなど早くから将来を嘱望された技巧派MFだ。欧州移籍後に数年にわたって伸び悩んでいたが、活躍の場所をデンマークに移した昨季からは安定した活躍を見せ続け、ようやく代表定着を果たしつつある。その卓越した技術と広い視野とパスセンスで、層の厚いMF陣に食い込み存在感を発揮できるかに注目したい。
一方のマビルは、南スーダン難民の家族ながらケニア生まれという出自で、10歳の頃に難民として豪州に移住してきた。アフリカ系の独特のリズムとスピード感あふれるドリブルで相手DFをきりきり舞いにさせるそのプレースタイルは、日本にとっては非常に厄介な存在となる。アデレード・ユナイテッドでブレイクして欧州へと勇躍。今季は所有元のデンマークのミッティランからレンタルで出たポルトガル1部ですぐに試合出場を果たすなど、その爆発的なポテンシャルが欧州の地で開花しつつある。
当然ながら、日本の天敵であるティム・ケーヒルに関して触れないわけにはいくまい。ジェディナクの不在で、ピッチ内外でのベテランとしての存在感は高まるが、戦力としてはひと頃よりはその重要性が相対的に低くなってきているのは否めない。
その理由としては、ケーヒル自体の衰えも否定はできないが、それ以上にエースFWのトミ・ユリッチ(ルツェルン)の本格化によって、チーム全体のケーヒルに対しての依存度が相対的に下がってきているからだと考えるのが正しい。これまでのキャリアで、途中出場から爆発的な決定力で数々の輝かしい得点シーンを現出させてきたケーヒルが彼自身にとって一番ふさわしい役回りにフォーカスできるようになったと考えれば、脅威はまだまだ残っている。軽視は禁物だ。