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アジア 7年前

川崎Fが到達した新境地。クラブ史上初のACLベスト4へ、中村憲剛の確かな手応え

text by 藤江直人 photo by Getty Images

存在感を増してきた阿部、フィットし始めた家長

今季から川崎フロンターレでプレーしている家長昭博
今季から川崎フロンターレでプレーしている家長昭博【写真:Getty Images】

 エスパルス戦までは、J1とACLを合わせた公式戦で3勝7分け1敗と勝ち切れない状況が続いた。ひるがえってエスパルス戦以降は15勝3分け3敗と、鮮やかなる変貌を遂げている。

 その過程でガンバ大阪から加入した阿部が完全にフィット。J1ではすでにキャリアハイとなる9ゴールをあげて、労を惜しまない運動量とあわせて、攻撃陣に必要不可欠な存在となった。

 そして、開幕直後に負ったけがで出遅れていた家長も、13日の鹿島アントラーズ戦で待望の移籍後初ゴールをマーク。ACLのレッズ戦を含めて、対戦相手に脅威を与える存在になってきた。

「僚太がいて、ネットがいて、阿部ちゃんがいると楽ですよ。僕は別に何もしなくても、マークをひきつけているだけでいいんだな、という感じで」

 阿部が存在感を増していたときには「楽」という言葉で歓迎した中村は、大宮アルディージャから加入した家長がいよいよ潜在能力を発揮しつつあるいま現在に「楽しい」と無邪気な笑顔を浮かべる。

「もともといい選手でしたからね。ウチにフィットする時間がかかっただけで。まあ、ちょっと待ちましたけど、ボールをもてるし、キープもできる。2人でこのくらいの距離でやれる選手は、そんなに多くない。その意味では、やっていてちょっと楽しくなってきました」

 中村がゼスチャーで示した「このくらい」とは、それこそ1メートルちょっとの距離。昨シーズンのリーグMVPに輝いた一流は、ガンバ時代から天才と称されてきた男を知るということだろう。

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