「リーグ戦やACLで優勝できなければ評価を高められない」(堀之内)
だが同時に、その勝利からすでに10年が経過しており、レッズがその後ただひとつのメジャータイトルも獲得できていないという事実も改めて浮き彫りになった。今シーズンの選手たちにのしかかる重圧も、これが彼らにとってキャリアで一度だけのチャンスとなる可能性も強調された。
「昨年はようやくルヴァンカップで優勝できましたが、リーグ戦やACLで優勝できなければ評価を高めていくことはできません」と堀之内聖氏は語る。2007年ACLでレギュラーとしてプレーしていた彼は、現在レッズで裏方のスタッフを務めている。
「もちろん、周囲からの称賛を受けるためにタイトルを目指すわけではありません。それでもタイトルの獲得が本当に嬉しい瞬間であることは、今日の啓太や他のみんなを見てもわかったと思います」
「(2008年以降に)一度か二度(ACLで)優勝できて、もっとファンを喜ばせることができていれば最高だったと思います。現実は現実ですが、今年はまだ勝ち残っていて、次は川崎との対戦です。当時と同じ結果を残すことができるかどうか、あとは今の選手たちやスタッフ、サポーターの番です」
ACLの優勝メンバーではなかったトミスラフ・マリッチも、レッズに栄冠をもたらすことの意味は熟知している。2005年の天皇杯決勝清水エスパルス戦では、73分に決勝ゴールを挙げた。44歳となった彼は、タイトルを手に入れるためには精神面の強さが必要となる場面が多いと感じている。
「チャンピオンになれるかなれないかは、精神の強さで決まることもある。時にはそういう部分も大事になる。欧州のチャンピオンズリーグを見ても、レアル・マドリーとユベントスのような試合は本当に高いレベルの戦いだが、そういう試合もメンタルの状態が勝負を分けることがある。ある場面で1対1の状況に勝つことができれば、それが試合の勝利に繋がる状況かもしれない」