本田の起用法は? メキシコデビューへ条件整う
本田のライバルになりそうなビクトル・グスマン。この選手の顔と名前を覚えていておいて損はない【写真:Getty Images】
本田の適正ポジションとチーム戦術、他の選手との組み合わせから、ウルグアイ人のディエゴ・アロンソ監督がどういうチョイスをしていくかは気になるところ。現役時代はバレンシアやアトレティコ・マドリーでも活躍したアロンソ監督はスペインの指導理論を学んでおり、[4-3-3]の基本システムもポゼッションと幅のあるパスワークをイメージしたものだろう。
その基準でいけば、左利きの本田をサイドとのパスワークで機能させやすい左インサイドハーフの起用も考えられる。ただ、マーカーを背負いながらボールを捌けるキープ力と日本代表のシリア戦で乾貴士に通した様なサイドチェンジ、鋭いスルーパスや左足のミドルシュートといった本田の持ち味は右インサイドハーフからの方が発揮しやすい。
22日に対戦するベラクルスはホームでケレタロを相手に38%のボール保持率だったデータが示す通り、メキシコリーグの中では堅守からのカウンターを武器とするチーム。モレリア戦より中盤のポゼッションが高くなると予想できるが、本田にとってはメキシコでのデビューともなるだけに、ここでどういう形で起用されるかは今後にも大きく影響する。ベラクルス戦で本田が出場するかどうか定かではないが、過密日程のミッドウィーク、しかもホームゲームでありデビューに向けて条件は揃っている。全てはコンディション次第だろう。
ただ、メキシコ代表のグティエレスもリオデジャネイロ五輪のメキシコ代表メンバーだったグスマンも実力者であり、モレリア戦では左ウィングで出場したアギーレやチリ代表の新戦力エドソン・プッチといったライバルもいる。
開幕直前の加入、しかも怪我で出遅れたことにより、いきなり難しい状況になるが、試合のパフォーマンスが全てを決める世界でもある。ゴールやアシストと言った結果はもちろんだが、経験豊富な日本代表MFに相応しいパフォーマンスでデビューを飾ることを期待したい。
(文:河治良幸)
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