「ノリノリ」のマンUが身につけた「威圧感」
今季開幕から間もないイングランドでは、マンチェスター・ユナイテッドの強さが話題。計8得点無失点での2連勝スタートを受け、メディアでは「威圧感」や「風格」といった言葉が用いられている。
国内各紙の報道によれば、この風潮はクラブの地元にはとどまらない。国民の間には、全国区の人気を誇る伝統の強豪に「らしく」あってもらいたいとの願望もあるのだろう。
ユナイテッドを率いるジョゼ・モウリーニョは、「騒ぎなさんな」とでも言いたげに「昨季も開幕2連勝だった」と反応している。実は新FWの好スタートも同様。今季のロメル・ルカクと同じく、昨季のズラタン・イブラヒモビッチも開幕2試合で3得点だった。筆者も、昨年の今頃は「早くもモウリーニョのユナイテッドらしい」と思っていた口だが、指揮官も言及していたように昨季プレミアでは「6位に終わった」。
ただし、そう言いながらも、今季は開幕前から「ノリノリだ!」と報道陣の前でおどける余裕さえあった監督の表情には自信がありあり。となれば、懲りずに「すでに昨季とは違う」と思わされてしまう。
最大の理由は、やはり自信。昨季はモウリーニョに勝るとも劣らぬ自信家のイブラヒモビッチが、唯一にして最大の自信の源に感じられた。それが、今季はチーム全体から自信がみなぎる。
指揮官にすれば弱点が補われた事実が大きいのだろう。故障者続出にも泣いたCBでは、昨季開幕戦でマン・オブ・ザ・マッチ級のインパクトを見せたエリック・バイリーが、前半戦途中での怪我をとうに過去のものとしている。若く頑強なビクトル・リンデロフという駒も加えられた。