昨冬に加入のドラクスラー、昨季奮闘も夏に移籍?
となると気になるのは、昨季の冬に加入した23歳の若きドイツ代表、ユリアン・ドラクスラーの処遇だ。左サイドがネイマールの固定ポジションになるなら、彼の出番は激減する。
昨冬の入団後、初の国外移籍、しかもシーズン途中からの参戦だったにもかかわらず、彼が時間を置かずに順応して戦力となったことは、PSGの後半戦の奮闘に大きなプラス材料となったと感じた。彼が2点目をマークしてPSGがホームで勝利を挙げた(4-0)、チャンピオンズリーグのバルセロナ戦でのプレーは中でも印象的だった。
いま現在、『バルセロナがリベンジに奪い取る』、など移籍の噂も出ている。出場機会が減ってしまうのなら、W杯を控えたこのシーズン、よりプレーできるクラブへの移籍を本人も考えることだろう。パリで「おっ!?」という好パフォーマンスを何度も見せてくれたので、去ってしまうのは残念だが。
それにしても、イブラが去って、PSGのエースとなったと思ったのも束の間、わずか1シーズンでネイマールを迎えることになったカバーニ。
「良い人なんだけどね……頑張ってるし」と、認められながらもなぜか主役になれないタイプ、というのは、どの世界にもいるのかもしれない。
彼は、たとえメディアから批判されている時であっても、やさしい笑顔でミックスゾーンを通り過ぎるナイスガイだ。でもやはりアスリート。負けん気は強い。イブラがいた時代も「彼の影に隠れた存在にはなりたくない」という思いはしっかり発信していた。
今回のネイマール人事には、クラブのために良いことと頭で理解はしていても、胸の中にはさざ波が立っているのではないかと勝手に想像してしまう。
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