原因不明の病で早期引退。不遇の天才司令塔
ルベン・デ・ラ・レッドのヘタフェ時代(左)と現在(右)【写真:Getty Images】
ルベン・デ・ラ・レッド
ヘタフェ在籍期間:2007年〜2008年
現所属クラブ:なし(2010年に現役引退)
レアル・マドリーの下部組織で育ったルベン・デ・ラ・レッドは、2006年にトップチーム昇格を果たす。しかし、銀河系軍団と言われていた時代から在籍する選手たちや、新たに加入した実力派MFたちの壁は厚く、1年目となった2006/07シーズンはリーグ戦7試合の出場に終わった。
そして2007年夏、買い戻しオプション付きの契約でヘタフェに完全移籍する。そこでミカエル・ラウドルップ監督の信頼を掴むと、シーズン終了後にはスペイン代表の一員としてEUROに参戦して欧州制覇も経験。デ・ラ・レッドのキャリアは順風満帆かに思われた。
2008/09シーズンは前年のクラブと代表での活躍が評価され、再び完全移籍でマドリーに復帰する。しかし、2008年10月30日に行われたコパ・デル・レイのレアル・ウニオン戦の前半13分、で・ラ・レッドは突如意識を失ってピッチに倒れた。
その後、心臓疾患の疑いがあるとして戦列を離れ、長期間にわたって様々な検査や分析を受けたものの、いまだに医学的な原因がつかめないままとなっている。2009年に一度現役復帰の可能性が伝えられたものの、2010年に正式に現役引退を表明した。
同時に指導者転身を発表したデ・ラ・レッドは、古巣マドリーの下部組織やヘタフェのBチームなどを指揮した。最近は時折マドリーのOBとして親善試合に出場することもあり、心臓疾患が疑われながらもピッチ上で元気な姿を見せている。
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