本田に求められるタスク。高地でのプレーに懸念残るも…
その一方でタイミングの良い攻め上がりからフィニッシュに絡む仕事も重要になる。ティグレス戦の2点目を挙げたグティエレスは左インサイドハーフの選手であり、そのシーンではウレタビスカヤのパスから絶妙の抜け出しでGKとの1対1まで持ち込んでいる。こうした2列目からの攻め上がりに関しては本田の直接的なライバルであるグスマンも得意としており、ティグレス戦でも前線まで上がるシーンが何度か見られた。
第一に中盤をより機能させることが本田のタスクになるはずだが、その中で決定的なシーンにどれだけ絡み、ゴールやアシストを記録できるか。メキシコのファンは目に見える結果はもちろん、積極的なチャレンジを高く評価する傾向がある。中盤における攻守の役割をこなしながら、機を見て貪欲にチャレンジしていくべきだろう。
ただ、そこで心配になるのが慣れない高地で運動量は確実に落ちるということ。パチューカの本拠地をはじめ標高の高い会場では90分間の走行距離の問題だけでなく、短い時間の中でのアップダウンやスプリント回数にも影響が出てくるはず。もちろん練習である程度の感覚は掴んでいるはずだが、テンションが高まり相手との駆け引きも多く発生する試合でどこまで幅広くプレーできるかはひとつ活躍のバロメーターになりうる。
本田にとって22日のベラクルス戦が記念すべきメキシコでのデビューになるのか現時点では不明だが、ファーストインパクトはその後に大きく影響しうるだけに、うまく試合に入っていけることを願う。
(文:河治良幸)
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