「36歳でなかなか取ってくれるクラブもない」
そんな時に浮上したのが、欧州再挑戦の話だった。長年の欧州経験が評価されたか、ポーランド2部からオファーが届く。家族の合意も得られた松井に迷いはなかった。
「ルマンの時も2部で、磐田に帰ってきた時もJ2。今回もポーランド2部ということで初心に戻れるかなと。36でなかなか取ってくれるクラブもないし、今回ポーランドからオファーがあったのもすごく光栄なこと。求めてくれるチームがあるなら、サッカーをやりたいなと思う。
(オドラオポーレは)3部から上がってきたチームだけど、自分が力になれればいいし、早く自分の居場所を見つけたい。その作業はどこに行っても同じですね。とにかく純粋にサッカーを楽しみたいと思います」と7日に成田から出国する際、彼は改めて決意を口にした。
欧州でもさまざまな不遇を味わった松井だけに、磐田時代の3年半もポジティブに捉えることができているようだ。
「キャプテンをやらせてもらったり、ベテランとしてしなければいけないこと、責任感だったりが生まれたんで、人間的には成長したかなと。俊さんの近くで勉強できたこともいい経験になった。戦術眼だったり、監督目線での見方、ここにボールがあったら誰がどう動いたらいいのかといったことを聞けたり学べたりしたのはすごく大きかった。俊さんからも電話で激励をもらいました。
住んでいた町の人たちも僕たちに近すぎず離れすぎずいい距離間で接してくれたんで、ホントに心地よかった。36歳までやらせてもらってホントに感謝しかないですね。ここからまた自分の可能性を探っていくことになるけど、今後の将来像を描きながら進めればいいかなと思います」と前だけを向いてキャリアを突き詰めていく考えだ。