生え抜きDFが「スピリットを継承するため」に2度目の復帰
昇格以外で新たに加入した選手のうち、昨年12月中旬に発表された最初の4人の中に特別な存在が1人いた。クルゼイロからのレンタルでやってきたDFダグラス・グローリである。彼にとって今年が3度目のシャペコエンセでのプレーということになる。
シャペコと同じサンタ・カタリーナ州サン・ミゲル・ド・オエステ出身のグローリは、シャペコエンセの下部組織で育ち、2008年にトップチーム昇格を果たす。当時クラブはブラジル全国選手権3部に所属していた。
その後2011年から徐々に出場機会を増やし、全国選手権1部の強豪グレミオに引き抜かれる。だが、国内トップレベルの競争を勝ち抜くのは難しく、レンタル移籍を繰り返した。その過程で2014年にシャペコエンセ復帰を果たし、全国選手権1部まで上り詰めていた古巣のレギュラーとして活躍する。
翌2015年にはグレミオからクルゼイロへ完全移籍を果たし、昨年はレンタルでポンチ・プレッタに在籍。そして今年、三たびシャペコエンセのユニフォームに袖を通すこととなった。
ただ、グローリにはシャペコエンセ復帰を決めるにあたって葛藤があったという。「自分も事故でたくさんの友人を失って、チームに戻るかどうか感情面で少し迷ったこともあった」と、15日に行われたスルガ銀行チャンピオンシップの浦和レッズ戦後に明かした。
では、なぜ古巣に戻ることを決断したのか。「迷った」とはいえ他の選手に先駆けて、いち早くシャペコエンセ加入を決めている。
「やはり戻ることが重要だと感じた。まずチームには選手がいなくなってしまった。それを補充するだけでなく、事故以前のスピリットを僕は知っているから、それを新しい選手たちに継承するためにあえて戻ろうと思ったんだ」
シャペコエンセの「スピリット」とは「戦うこと」だとグローリは説明する。確かにそれは浦和戦でも見られた。