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AIでスポーツは進化するのか。最先端のデータ活用法から見る可能性

text by 前田快 photo by Getty Images, Glad Cube Inc.

日々進化するAIの技術。今後の課題は日本での一般化

クアレスマ
サッカー界でも一般的になってきたデータ活用。身につけた小型端末からデータを採る形だが、日本ではまだ浸透していない【写真:Getty Images】

 金島氏はフィギュアスケートや格闘技を例に出し、「採点」の公平性を指摘する。

「格闘技では何回パンチを打って、そのうち何回が相手にクリティカルヒットしたのかを人が瞬時に判断するのは容易ではない。フィギアスケートにおいても、もともと実力のある選手には高い点数が出やすいといった側面がある」

 この選手なら大丈夫だろう、強そうといったイメージがジャッジに入り込む余地があるということだ。そういったジャッジの主観から少し離れて、AIが客観的なジャッジをできるようになると、見ているファンや選手自身も納得でき、スポーツ自体の魅力も上がってくるのではないか。

 AIは今後のスポーツのあり方を変える可能性を秘めている。競技者にとっては、よりレベルを引き上げるツールとして。また観戦者には、AIを使ってプロスポーツ選手がどのようにプレーしているのかなどの新鮮な見方・目線を分析することで、より豊かなスポーツ体験を提供できる。

 技術は日々進化しているが、あとは日本での浸透だろう。昨今の日本で「AI」はバズワードになっているが、アメリカではそうではない。既に一般化しているのだ。

 金島氏も「海外ではAIの認識・共感が広まっており、研究もかなり進んでいる。新しいことは悪いことではなく、AIがライフスタイルの向上につながるということを多くの人が少しずつでも知っていくことが重要」と語る。

 未開拓の部分が多い日本のスポーツ分野におけるAI。逆に言えばそれだけ大きな可能性があると言える。「AIブーム」に上手く乗ることができるか。スポーツ界全体が試されているとも言えるだろう。

(取材・文:前田快)

【了】

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