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Jリーグ 7年前

久保建英が参考にする中村俊輔のFK。中西哲生がつないだファンタジスタの縁

バルセロナの下部組織に在籍した経験を持ち、15歳にしてU-20W杯にも出場した久保建英。そんな将来を嘱望される超逸材は、世界屈指のキック精度を武器に活躍を続ける中村俊輔のフリーキックを参考にしているという。この2人の縁をつないだのはスポーツジャーナリストやサッカー解説者として活動しながら、選手のパーソナルコーチも務める中西哲生氏だった。一見すると不思議な関係はいかにして生まれたのか。『解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』(内外出版)の中で著者の河治良幸氏が、中西氏が取り組んできたチャレンジの深層を紐解いている。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「この年齢になって久保建英みたいな若い選手とやるなんて…」

――スポーツジャーナリストとしての活動は、今年で17年目ですよね。常に研究して、アップデートしている感じが、中西さんからは伝わってきます。

中西「僕は今、選手のパーソナルコーチの仕事もしていますが、絶えず進化していかなければ、選手を指導することなどできません。選手とトレーニングする時には、何か新しいことを伝えたいと思っています。パーソナルコーチの仕事は、選手から相談を受けて、それに応じる形でスタートしたのですが、なぜ僕がこの仕事をやっているかというと、すべてが解説にフィードバックされるからなんです。常に新しいプレーがないかとアンテナを張り、アップデートしています」

――もちろん、中西さんほどのレベルでサッカーを研究して、発信している人はなかなかいません。でも、現役時代に決してエリートではなかった中西さんが発言してくれることで、僕らジャーナリストやファンが意見を言いやすくなっている、という状況はあると思います。

中西「それは面白い見方だと思いますが、そんなふうに言ってもらえるとありがたいですね。僕はそんなにすごい選手ではありませんでしたし、誰も行かない道を歩いているだけですから。『スポーツジャーナリスト』という立場であれば、『サッカー解説者』とはまた違うことができると思った。誰も行ったことのない道ですから、当然間違えることもありますよ。でもリスクを冒してチャレンジする気持ちを失ったら、自分は終わりだと思っています」

――どんどん切り込んで行ってもらいたいと思います。

中西「実際、昔言っていたことと今言っていることでは、まったく違っていることもありますよ。だからこそ、選手のパーソナルコーチをやりながら、解説をやるというスタイルに辿り着いたのだと思います。自分が成長していかなければ、選手に指導なんてできません。でも、それが解説に返ってきますからね。本当は、こんなつもりじゃなかったですよ。この年齢になって、現役の選手と一緒にトレーニングするなんて。しかも、(久保)建英選手みたいな若い選手とやるなんて、思ってもみませんでした」

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