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小林祐希が語る、名波浩の影響力。「とてつもなくデカい」。多方面にわたる変化のきっかけ【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

「ナナさん(名波浩)の存在はとてつもなくデカい」

小林祐希は自身の変化のきっかけとして名波浩監督との出会いをあげた
小林祐希は自身の変化のきっかけとして名波浩監督との出会いをあげた【写真:Getty Images】

――ところで、東京ヴェルディユース時代から盟友、高木善朗が「人間がやわらかくなったような。トゲトゲしさみたいなものがなくなりましたね」と話していましたよ。

「人に対する接し方は変えましたね。だいぶやさしくなったと思う」

――稀代のツンツン野郎がどうしたことか。きっかけは?

「ナナさんに会ってからかな。あまり言いたくないんですが、自分にとってあの人の存在はとてつもなくデカいです。そのほか代表入って自覚を持ったり、世界で通用するにはプレーだけでは不充分だとわかったことも。

 実際、意識的に接し方を変えてみて、いいことがたくさんあったから。たとえば、オランダで取材を受けるとき、このおれがヘーレンフェーンの駅まで迎えに行き、お茶を出し、満足してもらって最後は駅まで送るんですよ。以前では考えられない」

――そうかな。昔から君はメディアの人間に対しての気遣いはありましたよ。ずいぶんと細かいところまで見ているなと感心したものです。

「もともと性格的には気を遣うほうで、ちゃんと表現できるかの問題。やっと大人になったんじゃないですかね。この年になって」

――一方で、丸くなったと言われるのは気に食わないのでは?

「丸くなりました?」

――僕の印象はあまり変わりませんが、トゲトゲしさがなくなったと丸くなったはほぼ同義語。

「何かあった場合はいつでも打って出る心構えはありますよ。見てのとおり、外見的な面も自分の好きなようにやっています」

――さて、もうすぐエールディビジ17‐18シーズンの開幕です。8月13日、ヘーレンフェーンはフローニンゲンとのダービーマッチ。CSのフジテレビNEXTに加入しなければ。

「向こうには、堂安律がいますね」

――おっと、そうでした。面識は?

「磐田時代、試合では対戦したことがありますが、しゃべったことはない」

――彼はなかなかのタマでしょ?

「堂安のプレースタイルは大好きです。ただ、ガンバ大阪やU‐20日本代表でやっていたようなプレーは難しいでしょうね。まず、ボールが来ない、リターンパスも返ってこない。プレーを制限され、サイドをやるなら内側に入っていけない。おれもそこはだいぶ苦労しましたから、うまく順応できるか」

――日本でも大注目の一戦になります。

「そうは言っても、おそらく堂安は出てくるはず。フローニンゲンはほかにもいい選手がたくさんいるので楽しみです。まあ、見ていてください」

(取材・文:海江田哲朗)

【了】

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