「信念がW杯につながってくれれば、そんなに嬉しいことはない」
こうした取り組みの先に、GKとしての飛躍があり、日本代表での成功がある。過去2度のW杯のうち、最初の2010年南アフリカ大会ではベスト16進出と結果が出たが、2014年ブラジル大会では屈辱的なグループステージ敗退を余儀なくされた。その経験を糧に、先々の大舞台ではよりよいパフォーマンスを見せなければならないという思いは人一倍強いものがある。
「僕はレベルの高いところでやりたいっていう気持ちを持ち続けてきましたし、その思いがGKとしての自分をまた一歩成長させてくれると信じてやってきました。そういう信念がW杯につながってくれれば、そんなに嬉しいことはない。そのためにも、とにかくメスで試合に出続けなければいけないし、その中で得られるものを全て得て、成長し続けなければいけないと思います。
2014年のブラジルW杯の後、僕は『あれだけ充実した4年間を過ごしてきたのに、なんで最後の本番で結果を出せなかったのか』とずっと考え続けてきた。答えを追い求めて、クラブのない時期を過ごし、スコットランドで降格を味わい、フランスでも試合に出られない時間を過ごしました。そういう時間の中で、『自分たちが未熟だったんじゃないか』とすごく感じるようになった。だからこそ、もっとやれることがあるはず。そう思いながら、まだまだ先へ進んでいきたいですね」
際限なく高みを追求し続ける川島永嗣の新シーズンが始まった。
(取材・文:元川悦子)
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