ハリル流であらわれた変化。「走り」が好調の要因に
メスは今季も1部残留争いを強いられそうだが、1部昇格を果たした年にイングランド・プレミアリーグ制覇という偉業を成し遂げた2015/16シーズンのレスターのような例もある。サッカーは何が起こるか分からない。そこが醍醐味でもあるのだ。
「昨シーズンのウチは2部から上がってきてとにかく『残留』っていうのが第一だったんで、どちらかというとシンプルに守ってカウンターという形が多かったと思います。でもクラブ的にはもう一段階上にいくことを考えるはず。昨シーズンの選手が大幅に変わることはないと思うので、昨年のベースを基にどれだけプラスアルファをつけていけるかが重要ですね。
今季の目標は、いきなり欧州リーグ出場圏内というのは難しいかな。フランスの場合、モナコとPSGがずば抜けていますからね。高い目標を持つことは素晴らしいですけど、現実的に自分たちに何ができて何ができないのかをしっかり見極めることが大事だから。もちろんうまくいけばそれに越したことはないですけど、まずは自分たちの足元をしっかり見て、昨季以上のプラスアルファを示して、リーグの中の上にいくことがポイントになってくるでしょう」と川島は冷静にクラブの立ち位置を分析する。
34歳という年齢はGKにとって円熟期。とはいえ、若い頃からの絶対的武器だった反応の速さだけに頼っているわけにもいかないのが実情だろう。常日頃から自己研鑽を欠かさない川島はこれまで不得手だった走りのトレーニングも取り入れ、さらなるパワーアップを図っているという。
「これまでは走ったことなんてなかったけど、今は走るトレーニングも取り入れてます。ハリルさん(日本代表監督)の海外組キャンプで走らされたりして、その重要性を認識したこともあって、チームが見つからなかった時期も走っていましたし、今もシーズン中のトレーニング後にも15分程度はやっています。それを始めてから全然体調が違うし、疲れも抜けるようになった。それ以外の練習量自体も前よりは確実に増えてます。自分のメンタル面、フィジカル面がどうしたらいい状態を保てるかを常に考えながら、いろんなことにトライしています」