PSGに「負けてあんなに嬉しかった」理由
リーグ・アンでコンスタントにピッチに立てれば、世界トップクラスの経験値が飛躍的に向上するのは間違いない。
「フランスで挑戦してよかったなと思うのは、対戦できる相手のレベルが違うこと。欧州チャンピオンズリーグ(CL)でも上に行けるようなチームと戦えるし、それ以外もしっかりと組み立ててサッカーしてくるチームが多い。ベルギーやスコットランドには引いて守ってロングボールというチームが結構あったんで、やはり選手として(フランスは)やっていて楽しいですね」と彼は言う。
川島がリーグ・アンデビューを飾った4月18日の相手は強豪パリ・サンジェルマン(PSG)だった。昨季35ゴールをマークし、得点王に輝いたエディンソン・カバーニを筆頭に、アンヘル・ディ・マリア、チアゴ・モッタらそうそうたるメンバーと対峙し、欧州トップレベルを体感する機会に恵まれた。
「あの時は自分が出るとは思ってなかったから、プレゼントをもらったような感覚だった。あそこで勝っていたら最高のシナリオだったかもしれないけど、負けてあんなに嬉しかった試合もなかったですね。シーズン通してずっと我慢し続けてきて、試合にも出られなかった自分が、求めていたレベルの相手と初めて出場したリーグ戦で対戦できて、すごい晴れやかな気分だった。負けはしたけど、負け方も劇的でしたし、こんなに気持ちのいい日はないなって感じでしたからね。
モナコとやった時も、全然崩されていないのに、ホントに1本、2本の質の高いボールでゴールが決まり、試合も決まってしまった。その質がビッグクラブと僕らみたいな小さいクラブの差だと思います。今季はそういう相手と戦える回数が多くなる可能性はありますよね。それは1人のGKとして物凄くプラスだし、自分がレベルアップしていくためにも確実に必要なことだと思います」とベテラン守護神は神妙な面持ちで言う。