3番手からレギュラーへ。フランス1年目、メス残留の原動力に
8〜9月のオーストラリア(埼玉)・サウジアラビア(ジェッダ)との2018年ロシアW杯アジア最終予選2連戦を控え、8月4日にリーグ・アン(フランス1部)の2017/18シーズンが開幕する。リーグ戦でコンスタントに試合に出場することは、川島永嗣にとっての最重要テーマだ。
新天地1年目だった昨季はトマ・ディディヨン、ダビッド・オーバーハウザーというアカデミー出身の若手GKに次ぐ3番手に位置づけられるところからスタートし、最終的には定位置を奪取。チームの1部残留の原動力となった。
今季は川島の一歩リードで新シーズン開幕を迎えるかと思いきや、ギリシャ1部のプラタニアスへ移籍したオーバーハウザーに代わって、ベルギー2部のAFCテュビズから23歳の元フランスU-20代表GKクウェンティン・ベルナルデュが加入。新たな競争を強いられることになった。
プレシーズンマッチを見ても、当初は川島がメインに使われていたが、開幕が近づくにつれてディディヨンを含めた3人が順番に起用されていった模様。8月5日に行われたギャンガンとの開幕戦では、年下のディディヨンに先発の座を譲る形となった。またも悔しいスタートを強いられた川島だが、正GK奪回への思いは非常に強い。新たな競争意欲を掻き立てられているベテラン守護神に、メス2年目の戦いについて聞いた。
「昨シーズンはトマとダビッドと自分の3人でポジション争いをしましたが、ダビッドは昨季限りで契約が切れた。クラブはオファーを出していたけど、残るかどうかは彼しだいだと思っていました。結果的にダビッドはギリシャへ移籍し、新たにベルナルデュが入った。今年も競争は厳しいですね。
昨季終盤に試合に出て、1部残留に貢献したということで、期待できる部分もあると思うけど、また新たな競争も始まる。とにかく、自分としてはシーズン通してフランスで試合に出たいというのがあるんで、そのための準備をしっかりしていきたいと考えています」と川島はコンディション的にもベストの状態でシーズン開幕を迎えようと意気込んでいた。
ギャンガンに1−3で逆転負けを喫したメスだけに、今後のGK起用は流動的だ。12日の第2節・ボルドー戦以降、日本人守護神が定位置をつかめるか否か。そこは大いに注目される点と言っていいだろう。