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ネイマール、移籍金290億円でPSG行きの真相。歴史的大事件にバルサ幹部が感じた憤り【バルセロナ記者の目】

text by トニ・フリエロス photo by Getty Images

「汚いものであることには違いない」

「PSGは国家クラブ」と語ったスペインプロリーグ機構のハビエル・テバス会長
「PSGは国家クラブ」と語ったスペインプロリーグ機構のハビエル・テバス会長【写真:Getty Images】

 ネイマール親子によるこの劇場はどのような経過をたどったのか。ネイマールが昨季バルセロナと契約を更新した際、契約解除金は1億9600万ユーロで据え置かれた。しかし、2017年の8月1日からそれは自動的に2億2200万ユーロとなった。2つの額の差、つまり2600万ユーロを、ネイマール親子は褒賞という名目で受け取ろうとしていたのだ。

 昨季が終了した6月に、もう残りたくはないとネイマールが告げていれば、ずっと誠実だっただろう。バルサも代役探しの時間をより多く手にすることができただろう。PSGももっと安価で彼を獲得することができただろう。そしてバルサのファンもそれほど騙されたと思うことはなかっただろうに。

 バルセロナが怒り、このオペレーションが終わるまで2600万ユーロを払わないことを決めたのは、そのネイマールの父のチェスの一手が理由である。今では、この状況に対しPSG側に2600万ユーロを払ってほしいと思っている人さえバルサの幹部にはいるのだ。

 ネイマール親子が8月2日にその2600万ユーロを保証する書類を取りにバルセロナのオフィスへとやってきたとき、彼らは落胆し、不愉快なサプライズを味わった。バルセロナは交渉がどのように収束するのかを見守ることにし、公証人にその額を預けてしまったのだ。

「PSGがネイマールに約束したことは決して知ることはできない。しかし、それはバルセロナのようなクラブのプロジェクトを捨て、まったく魅力のないフランスのリーグに行くためにやった、汚いものであることには違いない」とバルセロナのスポーツ部門責任者は説明する。

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