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乾貴士、「上手い選手」から「サッカーを知る選手」へ。スペインで身につけた「守備の連動性」

text by 小澤一郎 photo by Getty Images

「チームで守る時のポジショニングの大事さ」が理解できるようになった

レアル・マドリーやバルセロナといった強豪との試合をリーグ戦で経験している乾
レアル・マドリーやバルセロナといった強豪との試合をリーグ戦で経験している乾【写真:Getty Images】

 日本における乾貴士の評価やイメージは間違いなく「足元の技術があるテクニシャン」、「ドリブラー」だった。しかし、少なくとも昨季の乾のスペインやチーム内での評価は「守備で穴を作らない戦術レベルの高いサイドアタッカー」だ。

 昨季の開幕直後は一発のあった新加入のベベに左サイドハーフのポジションを奪われる期間が続いたが、結局オフ・ザ・ボール時のポジショニング、守備力でメンディリバル監督の評価はどんどん下がっていき、最終的には乾がポジションを奪い返した。

 このシーズンオフに『フットボール批評issue17』向けに行ったインタビューにおいて乾は「スペインで最も学んだのはポジショニングの大切さ」と語っている。

「ポジショニングの大事さというか戦術、チームで守る時のポジショニングの大事さは、一人が欠けると全部がずれて来るので理解できるようになりました。特に、スペインはみんな上手いので、一人が守備で遅れてしまうとそこから全部が崩れて、簡単に最後まで持って行かれたりします」

 日本の場合、一人のポジショニングミスを突かれてピンチを招くようなシビアな機会、試合はJリーグであっても少ない。乾も「Jリーグを見ていると、そういう守備の連動性はまだ浸透していないと思います」と話している。

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