移籍市場での扱いがレアルなみになっているプレミア勢
一昔前までは、レアル・マドリーが買い手なら選手の査定額が軽く1000万ポンドは跳ね上がると言われたが、今日のプレミア勢は、少なくとも移籍市場での扱いはレアルなみ。
8月に入ってリバプールによるレナト・サンチェス獲得の噂が高まっているが、バイエルン・ミュンヘンとの商談が進むとすれば、その金額規模は、7月にACミランが交渉を試みた金額の倍に跳ね上がっても不思議ではない。
おまけに、中でも富裕な強豪が補強に必死とくれば交渉相手に足元を見られるのも当然だ。最たる例が、ペップ・グアルディオラ体制1年目を無冠で終えたばかりのシティ。
カイル・ウォーカーを過去最高値のイングランド人DF、バンジャマン・メンディを世界最高値のDFとして買い入れ、その間には両者の半額程度だが30億円台後半でダニーロを獲得したSB陣の総入れ替えは、「グアルディオラ流」のスタイルでタイトルを争うチームを作る上で必須となる、戦術上のキーポジション補強を意味するものだった。
今季はプレミア優勝争いがノルマとなる状況は、ジョゼ・モウリーニョ体制1年目にEL優勝によるCL出場権獲得で辛くも「失敗」を回避したユナイテッドも同様だ。
リーグ順位はユナイテッドを上回る5位で、FAカップ優勝も果たしてはいるが、退任を求める一部ファンの声を押し切ってアーセン・ベンゲル続投を決めたアーセナルにも昨季同様は許されない。
CL復帰を果たしたリバプールでは、就任3年目を迎えるユルゲン・クロップが本格的な梃入れに着手する時期。昨季プレミア王者のチェルシーにしても、闘争心と野心の旺盛なアントニオ・コンテが狙うプレミア連覇とCL優勝争い参戦を実現するには、選手層が心許ない。
補強なしでプレシーズンに突入したトッテナムには、ハリー・ケインとデレ・アリという若き主軸に代表されるチームの成長が期待できるが、後続勢の追い上げ姿勢を考慮すればチーム内競争の激化を図るのが理想だろう。