「最後に3位をめざすところで自分が力を出せる状況にしておきたい」
この限界を受け容れたうえで、石川はきわめて限定的に、最後の力を振り絞るイメージを持つにいたったようだった。
「たとえばこのあいだの新潟戦(J1第19節)や鹿島戦(同18節)のような(同点の)状況で自分が途中から出たときに“ここで最後はナオでしょ”“ナオが入ったら勝てる”と、そういう短い時間でも結果を残せる膝にしたい。いまはそこまで行っていないんですけど、そこまで持っていきたいな、と。
90分(フル出場)はまちがいなく難しいので。そこは自分でも受け容れています。やろうと思えば一発ならできるかもしれませんけど、そうしたら終わっちゃうので、もう(苦笑)。(本格復帰後の機会に)とっておきます」
現役最後の試合がいつになるのか、どのタイミングを復帰の目安にしているのか、石川は語らなかった。いままで何度も「いついつに復帰する」と目標を立てては頓挫し、ひっくり返ることの繰り返しだったからだ。
ただ、年内に一分一秒でもピッチに立ち、チームを奮い立たせたいという想いだけは確実にある。
「いまはチームの目標を少し軌道修正しましたけど、それによって5位のところにいながら、3位に手が届く、と。いまから(直接)3位をめざすのは難しい話ですから、最後に3位をめざすところで自分が力を出せる状況にしておきたいと思います」