かつてはレアルやアトレティコを応援する人が多かったベッドタウン
柴崎岳は、ヘタフェが行ったプレシーズン最初の親善試合でデビューを飾った。先発での出場ではなく、ハーフタイム後に出場して45分間のプレーだった。セグンダBのアルコジャーノと1-1のドローに終わり、全体的には低調な一戦だったが、中盤でプレーした日本人は正確なプレーを披露していた。
それほどプレーに絡む機会は多くなかったが、よく働く姿勢を見せ、パチェコとともにCKキッカーも務めて組み立てにも携わっていた。素晴らしい1日ではなかったとはいえ、まだ結論を下す時ではない。時間はこれから十分にある。
柴崎岳が世界最高のリーグのひとつに挑戦するにあたって、そのデビューの場所として選んだチームを見渡してみよう。ヘタフェはマドリードの南に位置し、スペインの首都のベッドタウンのひとつとして約18万人の人口を有する。
マドリードからわずか15kmほどの距離で、労働者層が主に居住している。このことが、ヘタフェというチームとそのサポーターに様々な特異性をもたらしている。
ヘタフェが初めてトップリーグに昇格した2004年以前には、この町の住民の多くは通常レアル・マドリーかアトレティコを一番に応援しており、ヘタフェは2番目だった。近年ではそれが変化しており、周辺を取り巻く社会集団が成長することでクラブは独自性を獲得している。
こういった側面は、柴崎が適応するにあたってプラスの要素となるかもしれない。スペインと欧州の頂点を目指して戦う2つのビッグクラブの存在は、その周辺のクラブをしばしば日陰に追いやっている。