代表で学んだエネルギーの使い方。経験をマリノスに還元できるか
マルティノスは、背番号6をつけてグループステージ2試合に出場した。キュラソー代表は結局3戦全敗に終わって決勝トーナメント進出を逃したが、エルサルバドルやメキシコといった国々との対戦は、自らを日々アップデートしている痩身のウィンガーに新たな学びを与えたようだ。
「フットボールのスタイルが違って、ハイレベルで、ビッグプレイヤーがいて、知的だった。違うスタイルのフットボールを見ることはいつも楽しい。日本に来る前はオランダやハンガリー、ルーマニアでプレーして、代表としてもたくさんの国と戦ってきた。それぞれ異なるスタイルからはあらゆることを学べる。僕にとって大きな経験だった」
ゴールドカップでは代表チームならではの難しさを味わい、そこで得た学びはマルティノスに欠けていた「継続性」という要素を改善するヒントになるかもしれない。
「リーグ戦は週末に向けてトレーニングをするけど、トーナメントは試合と試合の間がすごく短い。勝ち進むためにどういうサッカーをしなければいけないか頭を使いながら、どのようにエネルギーを使うか考えながら、とても賢く戦う必要がある。Jリーグでは『今週はマルティノスが最も多くスプリントしていた』と言われることもあるけれど、トーナメントだったらスプリントするのも気をつけなければいけない」
常にフルスロットルで走り続けるのではなく、どこにエネルギーを注ぎ、どこで力を抜くのか。ゴールドカップのような短期決戦の大会でなく、リーグ戦の要所で参考になる部分はあるだろう。ゴールドカップでの経験を、マリノスにどう還元できるか。サイドを翔けるトリコロールの稲妻は、日々進化を続けている。
(取材・文:舩木渉)
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