豪州代表、コンフェデ杯で完成度高め日本戦へ
豪州代表への関心がにわかに高まっている。それもそのはずだ。8月31日のW杯最終予選の日豪戦は、日豪両国にとって勝たなければいけない大事な試合なのだから。最終予選の組み合わせが判明して以来、この試合こそ天王山になるだろうと予想はついたが、今の日本の置かれた状況を考えれば、ここ数回の対戦の中でも際立って重要な一戦となる。
そんな日本での関心の高まりの中で、6月にロシアで行われたコンフェデレーションズカップ2017にアジア王者として臨んだサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)は、各大陸王者の強敵相手に“善戦”を見せた。それを受けて、日本では「豪州は侮れない」という声がさらに高まっていると聞く。
確かに日本側から見ると、アジアの異端・豪州とこのタイミングでぶつかるのは嫌だろう。しかも、その次がアウェイでのサウジアラビア戦だけに、何とかホームでW杯出場を決めたいの気持ちも殊更強まる。
一方、豪州はというと、最終節にホームでのタイ戦を残していることもあって、アウェイの日豪戦に「何としても勝たねば」という気持ちが日本ほど強いとは言えない。ただ、グループ首位の難敵・日本相手にアウェイで勝ち点を得て、最終戦にも勝利すれば、一気に自力通過、しかも首位通過の目すら残る。その意味では、豪州も「負けない戦いにくる」に違いない。
そんなサッカルーズの現有戦力を、コンフェデ杯の戦いぶりを交えながら振り返っていこう。
現在のシステムは、ダブルボランチに両サイドハーフを配し、前線は1トップに2シャドーが基本形の3−4−2−1。この新しいシステムの導入は、国内でも驚きをもって迎えられた。オランダ流が根強い豪州フットボールの伝統的スタイルである、両ウィングを配しての4−3−3(4−3−2−1などボランチの枚数で多少のバリエーションあり)という定型からの脱却に、選手、スタッフ、ファン、メディアは戸惑いの色を隠せなかった。
そこに来て、前回のコラムで書いたようなシステム変更後のパフォーマンス低迷もあって「コンフェデ杯で世界の強豪に大敗を喫して自信喪失するようなことがあれば、残りの大事な最終予選に悪影響を及ぼすのでは」というファンの不安は、猜疑心へと変わりつつあった。実際、コンフェデ杯の前には、選手の口からも不安げなコメントが聞こえてくるなど、しっくりこないままに“プレW杯”を迎えた。