フローニンゲンの夢…レジェンド・ロッベンの帰還
ハンス・ナイラント社長とともに大阪へ飛び、堂安の獲得にあたったペーター・イェルテマTM(テクニカル・マネージャー)はすでに9月1日で退団することが決まっている。後任のロン・ヤンスは1年契約だが、ナイラント社長は長くクラブに留まってくれることを望んでいる。
ヤンスは80年代前半にフローニンゲンがUEFAカップで活躍した頃の左ウィンガーだった。やがてフローニンゲンは低迷期を迎えたのだが、ヤンスは2002年10月から監督に就任してチーム内外のネガティブムードを吹き飛ばし、再びフローニンゲンをサブトップ(中堅上位クラブ)に引き上げた。
クラブ責任者として20年、社長を務めるナイラント、そしてチーム力を引き上げたヤンスの2人は、現在のフローニンゲンを築いた立役者と言える。
そして、もう1人、フローニンゲンと赤い糸で結ばれた人物がいる。それはアリエン・ロッベン(現バイエルン・ミュンヘン)だ。2000年、当時16歳でトップチームに昇格したロッベンは、プロ1年目にしてチーム内MVPに選ばれ、2シーズンだけフローニンゲンでプレーすると、PSV、チェルシー、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンとビッグクラブで活躍し続けた。オランダ代表でも今なお欠くことの出来ないレジェンド、ロッベンは頻繁にノールトリース・スタディオン(フローニンゲンの本拠地)を訪れている。
いずれ、ロッベンがフローニンゲンに戻って何か役職に就くことは、ナイラント社長もロッベン本人も願っていることだ。しかし、ナイラント社長の夢は、ロッベンが現役最後のシーズンをフローニンゲンでプレーすることである。
引退間際にロッベンがフローニンゲンに!? いや、それはありえない……。そんな話がまたオランダで再燃するだろう。堂安を追う日本人ファンにとっても夢のある話だ。