ヨンソン新監督が目指そうとしているサッカーの一端
果たして、18日から開始された新体制下の練習では、4バックでの戦い方が微に入り細で確認された。注目されたFC東京戦で採用されたシステムは、宣言していた通り「4‐2‐3‐1」だった。
センターバックを組んだのは水本裕貴と、昨シーズンの途中に横浜FCから加入した野上結貴。サイドバックは左に4年目の高橋壮也、右にはガンバ大阪から完全移籍で加入したばかりの丹羽大輝が入った。
ボランチはキャプテンの青山敏弘と茶島雄介。2列目には左から柏好文、柴崎晃誠、アンデルソン・ロペス、そしてワントップに皆川祐介が配された布陣が攻撃面で機能したのは前半40分だった。
FC東京の左コーナーキックのこぼれ球が、自陣の中央で青山に預けられる。このとき、柏、茶島、そして柴崎の3人がハーフウェイラインを越えて、トップスピードで敵陣へなだれ込んでいた。
青山から柏へパスが通るとともに仕掛けられた、一気呵成のカウンター。FC東京で残っていたのはDF徳永悠平とMFユ・インスだけ。あとはドリブルで迫る柏の背後を、必死にMF室屋成が追走する。
最後は柏からパスを受けた柴崎が、ペナルティーエリア内の右から右足でシュートを放つ。狙いすました一撃は残念ながらゴールの枠を外れ、右のサイドネットの外側に引っかかった。
「前半は耐える時間もあったが、徐々にウチのペースになっていい形も作れた。前半の終了間際にはカウンターから、いい攻撃を仕掛けることができた」
試合後の公式会見。「冒頭で『ハジメマシテ』と挨拶をするのを忘れてしまいました」と笑いを誘ったヨンソン監督は、目指そうとしているサッカーの一端をこう明かしている。
「いろいろと形を変えてやっていこう、ということで練習をしてきた。守備面ではコンパクトにプレーしようと選手たちには言っている。攻撃面ではいつくかテーマがあるが、可能ならば手間をかけることなく、直線的な攻撃を仕掛けていきたいと考えている」