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ルーニーの完全復活に期待。エバートンへの帰郷が“暴れ馬”の野性を呼び起こす可能性【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

プレシーズンの動きはGOOD! ルーニー〈完全復活〉なるか

ルーニー(右)の加入を歓迎しているクーマン監督(左)
ルーニー(右)の加入を歓迎しているクーマン監督(左)【写真:Getty Images】

 さて、昨シーズンのエバートンはルカクの大活躍により、7位に入った。しかし、25ゴールを決めたアタッカーは出来高込みの9000万ポンド(約130億5000万円)という莫大な財を残し、ユナイテッドに移籍した。

 経済的には大きなプラスだが、戦力的なダウンは否めない。近年のパフォーマンスを比較しても、ルカクはルーニーを上まわる。それでもクーマン監督は、さして心配していなかった。

「戦術理解度でルーニーはルカクにまさっている。彼の経験値もルカクにはない強みであり、エバートンに欠けていたピースだ」

 クーマン監督はお世辞をいうタイプではない。よくいえば正直者、わるくいえば超KY。黙って見過ごせばいいものを、余計なひと言でヒンシュクを買った経緯がいくつもある。もちろん、ルーニーのプライドをくすぐるリップサービスも含まれているのだろうが、大黒柱として期待していることは間違いない。

 かつて、守備をしないクリスティアーノ・ロナウド(現レアル・マドリー)のエリアまでカバーしていた。移籍直後で右も左も分からないカルロス・テベス(現上海申花)、朴智星(現ユナイテッド・アンバサダー)とリズムを合わせ、香川真司(現ボルシア・ドルトムント)のプレー意図をだれよりも早く理解したルーニーのことだ。

 新天地エバートンでも、連係を磨きあげるまでに多くの時間は必要としないだろう。イドリサ・ゲイエ、モルガン・シュネデルランなど、ボール奪取能力に優れたMFを擁しているため、守備面におけるルーニーの負担も軽減されるに違いない。プレシーズンマッチの動きもSO GOODだ。

 さぁ、ルーニー〈完全復活〉なるか!?──。

 楽しいシーズンが、まもなく開幕する。

(文:粕谷秀樹)

【了】

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