本田の特徴を最大限に生かせるのは中盤での起用か
ウレタビスカヤとサガルに共通するのは個人で仕掛けて勝負する打開力を持つことで、今回は途中出場だったチリ代表のエドソン・プッチもドリブルと積極的なシュートが武器の選手であり、ポゼッションからの崩しが基本となるスタイルながら、左右のウィングにはそうした役割が求められる。本田の特徴を最大限に生かすには、やはり中盤のインテリオールが適していそうだ。
本田がインテリオールで出る場合、利き足を考えれば開幕戦でパブロ・ロペスが担った左が適しているが、ご存知の通り本田は右ワイドを起点にプレーすることを得意としている。
開幕戦でビクトル・グスマンが担った右のインテリオールで起用されれば、ウレタビスカヤと良い距離感で絡みながら、時にポジションチェンジで右サイドに流れてサイドバックのジョセ・マルティネスが攻め上がる“タメ”を作る役割もイメージできる。
攻撃面で多岐に渡る活躍が期待されるインテリオールは守備面でも高い状況判断が求められそうだ。基本的に高い位置で相手にプレッシャーをかけ、ボールを奪いにいきながら、攻め込まれれば自陣まで下がってDFラインの手前を埋める必要がある。確かに高地に順応しなければ、フルタイムで役割をこなすことは難しそうだ。
時間帯によっては前線の迫力を意識した[4-4-2]もオプションになり、その場合は左右のサイドハーフで起用されるプランもあるかもしれないが、中盤の攻撃的なポジションで周りを生かしながら決定的なシーンを演出するという、ミランでは一時的にしか実現できなかったポジションで、新境地を開拓できるかどうか。さらに注目してチェックしていきたい。
(文:河治良幸)
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