ベトナムのスターが韓越交流の架け橋に。Kリーグも歩み寄る
同年末時点における韓国の対ベトナム直接投資(FDI)は、累計500億米ドル(約5兆5000億円)を突破。ベトナムのスター選手であるスアン・チュオンには韓越交流の架け橋となることが期待されており、同選手は現在、韓国企業のベトナムにおけるイメージキャラクターや地方自治体の親善大使を務めている。
昨季、熾烈な残留争いを演じた仁川ユナイテッドでレギュラー争いに敗れて、今季から同じくKリーグクラシックの江原FCに移籍したスアン・チュオン。今年もなかなか出場機会はめぐってこないが、リザーブリーグでは順調に結果を残し、先日ついに移籍後Kリーグ初出場を飾った。
依然として戦術理解やフィジカル、連携面での課題が残り、持ち前のパスセンスを発揮するにはまだまだ時間がかかりそうだが、これらの問題が解消されればチームに不足している攻撃のエッセンスを補う存在となる可能性もある。
スアン・チュオンが所属する江原FCは今年6月にベトナム遠征を実施し、ホーチミン市選抜と親善試合を開催した。7月末には、KリーグオールスターとU-22ベトナム代表の親善試合、8月初旬にはU-22ベトナム代表の韓国遠征も計画されている。
Kリーグオールスターの監督は、かつてC大阪や柏レイソルで活躍したファン・ソンフォン氏。メンバーには、イ・グノ(元磐田、G大阪)やキム・ジンス(元新潟)などJリーグ経験者も含まれ、かなり豪華な顔ぶれとなっている。
スアン・チュオンもU-22ベトナム代表の一員として出場予定。親善目的とはいえ、今回の母国凱旋で武者修行の成果を見せたいところ。韓国では現在、スアン・チュオンのほかにも4部リーグの議政府FCでDFグエン・フー・アイン・タイ(HAGLから期限付き移籍)がプレーしており、複数のクラブがベトナム人選手に熱視線を注いでいると言われている。
(取材・文:宇佐美淳)
【了】