昨季2部でプレーした鈴木大輔と柴崎岳。1部で活躍のためには?
昨季は2部でプレーした鈴木大輔(ジムナスティック・タラゴナ)、柴崎岳(テネリフェ)について坪井氏は、「この2人に関しては、まだまだフィットするプロセスにいる選手ですので、もう少し時間をかけて見ていかないと評価が難しい」とした上でこう続けた。
「日本とスペインでは、サッカーそのものが異なるのではないか、というくらいスタイルが異なります。そこにフィットするためには言葉も覚えなければいけないし、スペイン人がどういうサッカー観でプレーしているかを理解し、それに順応しなければいけません。
そうなると大体、2年かかるのが通例です。鈴木選手は1年半、柴崎選手は半年ですので、もう少し様子を見てどこまで本来の力を発揮できるのかを測る必要があります。ポテンシャルは2人共にありますので、(来季)1部に上がる可能性は十分にあると思っています」
ラ・リーガ2部についても坪井氏は独自の見解を示した。
「もちろん、レベルも高いのですが、1部とはまた違う特徴のリーグ、ある意味で1部よりも難しいリーグです。テクニックレベルもそこまで高くないので、トランジションの数は多い。手数をかけずにゴールまで持って行こうというサッカーが主体で、どのチームもそれしかできない部分があります。
1部と比較するとテクニック、戦術面で劣るので、よりフィジカルに特化したゴリゴリのサッカーで、攻撃はカウンター主体、縦に早いという特徴が1部よりも色濃く出ています。ですので、体が小さい日本人にとってはものすごく難しいカテゴリと思います」
テネリフェとの契約が満了となった柴崎は、ラ・リーガ1部昇格を決めたヘタフェへの移籍が決まり、来季もラ・リーガでプレーする日本人選手からは目が離せない。それと同時に、スペインでプレーすることでトップレベルの日本人選手でも総体的に不足している戦術と守備のレベルが上がるメリットをこの日のイベントでスペインサッカーの現場を知り尽くす坪井氏は伝えようとしていた。
(取材・文:小澤一郎)
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